先生、今日で先生が私の前から居なくなって、3年7ヶ月と10日です。
最近は何もせず、食べず、誰とも会わず、生きています。
全てを拒否した姿勢は幾分か私を柔らかくするようです。
大野、という文字を街中で見るたびに発作のようにおこる嗚咽は、3年7ヶ月経った今では、飼い慣らしてしまいました。
何の影響も受けません。先生のことを思い出す痛みはいつのまにか鈍痛になり、そのことを触っても薄皮一枚の感覚だけが残る。
私は強くなってしまった。先生のいない世界で、強くなった。
その強さは、麻痺した脚をどれだけ殴っても痛くない。笑ってさえいられる。そんな強さです。
先生は今どこで、何をしているのでしょうか。
私の障がい者手帳の診断書を書いた先生は、私を障がい者1級にした。
先生は最後に障がい者1級を私にくれた。こんな悲惨な皮肉を。私は後世大事に持っておくのでしょう。
先生、今日はなにかを作ってみようと思います。
先生にプレゼントをすると思って、先生へのプレゼントを作ってみようと思います。
人を好きでいられるのは4年が限界だそうです。
先生が私の世界から居なくなってしまった4年目に、なにをしましょうか。
ケーキでも作って、塩辛く食べる。
そんな自暴自棄も、よいかもしれませんね。