私は先生の笑った顔が好きだった。私は先生の笑った顔しか知らなかった。
私は先生が好きだったけれど、私は先生のことを何も知らなかった。
でも、先生は、私が先生のことを好きだということ以外の全てを知っていた。
先生は仕事で私の話を聞いていた、死んでしまいたかった。先生に酔って、噛み殺す笑いに殺されたいと思った。
先生が不在になってから、泣いた、毎日毎日泣いた。身体がふやけて腐って溶けてしまえばいいとおもった。
先生、先生。大野先生。
先生は今どこにいますか、何をしてますか。
私はどうやら、一生分の恋心を、他の誰かに向けられたかもしれない恋心を、使い果たしてしまった。
私に残ったのは、先生の面影ばかりです。私が探しているのは、先生の面影ばかりです。
4年が人が人を好きになる限界だと、そう書いてありました。ネットに書いてありました。
もうすぐ4年です。先生。
先生の笑顔が、私の全てでした。