大野先生、もう先生が私の世界にいなくなってから1年が経ちます。
もう大丈夫だと思っていたのですが、大丈夫では無いようです。
私を好きだと言ってくれる人が居ますが、私は彼が先生ではないから好きではないのです。
彼の言う愛とやらに包まれながら、ぬるさを感じて目をつぶっても、そこには何もなく目を開くと彼ではなく先生が見えます。
これはどのような事なのか、私にはわかりません。私は頭が悪いので。
分不相応な知識に私は立ちすくみます。
また何処かで会えますよ、という言葉は呪いのようで、私には手に負えません。
何処かで会って、何になるというのでしょう。この気持ちを抱え込む肉体は、何になるというのでしょう。
白けた世界にいた私は錯覚していたようです。なにを勘違いしたのか、それは先生への気色が悪い気持ちなのか、もはや何も分からなくなってしまいました。
私を糾弾する人間が先生であれば良かった。